- 喪失感と希望
- 「日の名残り」にしても本書にしても、イシグロの作品を読むと、「喪失感」という言葉が浮かんできます。私達は生きている間にいろいろなものを失っていく。時にはかけがえのない大切なものを、自分がそうとは知らぬ間になくしていき、後から振り返ってそれに気づくのだが、そのときはもう全てが終わっている。本書を読むとそんなメッセージが伝わるように思います。物語の前半は ...
- 熟語の宝庫
- 斎藤兆史著『英語達人塾』の中で、そのすぐれた英文であることを知り、自分も読んだ次第。自分はあまり英語が出来るわけではありません。ですから、一文また一文のなかに、辞書の例文よりも最適な英文がちりばめられているのを見ると、辞書を引いてノートを作ることが、とても楽しくなってきます(もっとも英語が出来る人なんかは、小説を読むとき、まず辞書はお引きにならない ...
- 人間が生きていく力を考えさせられた
- 上品で繊細な文章(翻訳者の力量にも敬意)、興味深いストーリーそのものに惹きこまれる好作品ながら、読後感は非常に奇妙なものでした。本作品には強烈なメッセージがあると感じたせいだと思います。訳者あとがきによると著者はあるインタビューで「話し手の言うことをすべて信じないように。語られていない部分、言葉の裏にある部分を読取ってほしい」と語ったそうです。主人公 ...
- 文体が素晴らしい
- イシグロの作品はまともには本作しか読んだことがないのですが、彼の文章の美しさには感嘆させられます。しかも語彙が受験レベルをさほど逸脱していないのにもかかわらず、十分骨のある内容を格調のある文法を駆使して明確に伝えきっているという点は特に驚きです。内容もさることながら、英語学習の一環として読んでもいい作品だと思いました。ちなみに書店では本作に『TOEIC860点レ ...
- Ishiguro does it again!
- 石黒ワールドに引き込まれて、一晩で読み切ってしまいました。もともとの石黒ファンの人はもちろん、まだ彼の作品を知らない人にもお勧めです。霞がかった英国社会と帝国主義時代の上海の世界の両方を経験できる本です。すべての謎は解けた瞬間は涙なしでは読めませんでした。是非皆さんも味わって下さい。
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