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夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語
夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語
  • ¥ 1,680
  • カズオ・イシグロ
  • 単行本
  • 早川書房
  • 2009-06-10
在庫あり。
音楽と世界の街、邂逅の果て・・・
そんな世界観に、自分(読み手)の意思を簡単に委ねてしまいたい時、
手招きする。

この小説の背景に極めて近いところに行ったことがあるなら、
たまらない。

ターンテーブルから、もどることのないレコードの音、余韻に浸り、
まだ見ぬ次の異国に想いを馳せたことがある人には、とても美しい短編集かと思う。

アーウィン・ショウの描く都会的描写のみならず
ボブ・グリーンの記す牧歌的風景のみならず、
「音楽」が手招きする。

・・・サンマルコ広場、確かに今日も、数千万分の一の邂逅の傍観者。
人と人との出会いに、「音楽」が手助けするなんて、
やっぱりお洒落である。

大人のための物語
タイトルから、夜寝る前に読むことにしていたが、大正解だった。
そういう時間に読むのが最適な、しっとりとした雰囲気の本だと思う。
夕暮れどきに窓辺に腰をかけて見る白昼夢のようで、さらりとしているけれど
目を覚ましてもかすかにその余韻を感じるような5つの物語。

現実的ではないが、空想のようでもないし、感傷的にもならない。
あえていうなら大人のための良質なおとぎ話のようだ。

私もまだまだこの作品を十分味わえるような段階にはないようだけれど、
年を重ね大人になるのも悪くないと思わせてくれるような、味わい深い作品だと思う。
断片ゆえの完全性
 音楽と男と女と黄昏の物語集。教訓めいたものは何もないし、プレーヤーは一流とは言い難い者が中心だ。成功の味もほろ苦く、黄昏時には哀愁を帯びる。だが、音楽は確かにそこに存在し、ささやかながら登場人物たちを祝福する。
 音楽には人をいやす力がある。激しい主張や欲望を表現したものでさえ。短編は、物語世界の一部を窓に映すスクリーンだ。大部分が見えないことで、物語はかえって完全性を帯びる。「夜想曲」の、成功物語か落胆の物語かの前夜の静けさが、凍り付いた時間の中でなまめかしく息づいている。
初の短編集
カズオ イシグロの初の短編集。
内容は他の人たちが、必要十分に説明しているので、、。

要約すると、
新しい人生のスタートをするために、
持ち物を取り替える人たちの話。
顔だったり、妻だったり、謙虚さだったり、。
どの作品もこっていて、
くすっと笑いつつ、
すこし苦い後味だった。

正に、登場人物達が、
夜に回想する話なのだろう、、。
連作(?)短編!
原題は「NOCTURNES」となっているのですが確かに良いタイトルで、この連作短編(いわゆる普通の連作短編ではないが、私には連作短編に感じました)の通しタイトルとしてベストだと思いました。


往年の大歌手でスターであり、ベネチアでギター奏者として生計をたてる主人公の母と東欧に暮らしていたときからのファンである老歌手との1夜のサプライズセッションの顛末を描いた「老歌手」

大学時代の親しかった友人夫婦の家に泊まりに行く1人やもめの47歳の英語教師として食いつないできた男。友人は仕事に成功しているが何故かいつもは仲の良い夫婦に訪れたささやかな危機的状況に陥った時期に来てしまったことから始まる変な時間の変なやりとりを描いた「降っても晴れても」

プロを目指すまだ若いギター奏者が姉の故郷の田舎のカフェを手伝うことで知り合ったミュージシャン夫婦との交友を描いた「モールバンヒルズ」

売れないジャズサックス奏者のとある入院に伴って生まれたセレブレティーとの不思議な展開を、不思議な場所で描いた「夜想曲」

若いチェリストと不思議な年上の魅力的アメリカ人女性との出会いで生まれた奇妙な師弟関係を語る「チェリスト」


もう少し詳しく書きたいのですが、どの作品もやはり素の状態で味わっていただくのが最も美味しいと考えさせられる作品、やはりイシグロさんは面白いです。


それでも、やはりどちらかというと私の好みは長編ですし、「日の名残り」、「私を離さないで」、「遠い山なみの光(昔のタイトルは「女たちの遠い夏」)」なんかを読んでしまっているので、その期待が大きくなりすぎた分、少しだけがっかりもしてしまいました。ただ、もちろん素晴らしい作品です。

イシグロカズオ作品の静かなトーンが好きな方にオススメ致します

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